ドライクリーニングとは|家で水洗いをすべきではない衣類も紹介!
お気に入りの洋服や高価な洋服など、綺麗に長持ちさせるために大切なのが、洗濯の方法です。洗濯タグを見ると、水洗いができないマークやドライクリーニングの表示があるものがあります。
ここでは大切な衣類を正しく扱うために、ドライクリーニングとは何か、メリット・デメリット、ドライクリーニングした方がいい衣類やマークの紹介、またドライクリーニング表示のものを自宅で洗うことができるのかについて紹介します。
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ドライクリーニングとは

ドライクリーニングとは水を使わないクリーニングで、水ではなく有機溶剤を使用します。
衣類の中には、水で洗うことで変化したり劣化したりする素材があるため、水洗いに適さない衣類や素材を洗える方法として、ドライクリーニングという方法があるのです。
ドライクリーニングの溶剤
ドライクリーニングで使用する有機溶剤とは、油の一種です。この有機溶剤には、以下のようないくつかの種類があります。
パークロロエチレンは、ドライクリーニングに使われる有機溶剤の中で、洗浄能力が最も高いことが特徴です。蒸発しやすいため、短時間で洗浄や乾燥ができます。ただし溶剤が強いために、スパンコールなどの装飾がついた衣服ややわらかい素材には不向きでしょう。
石油系溶剤はクリーニングの有機溶剤の中でもっとも衣類に優しく、日本のクリーニング店では主流の溶剤だと言われています。デリケートな素材の衣類に利用できます。
フッ素系溶剤はパークロロエチレンの次に洗浄力が高い溶剤です。ただし、油性の汚れに対する溶解力が弱いため、口紅や油性インクなどの汚れにはあまり向きません。また樹脂素材を傷つけやすいため注意が必要な溶剤でもあります。またオゾン層の破壊につながることもあることから、一部製造を禁止されており、近い将来使えなくなる溶剤であまり使用されません。
これらの有機溶剤は、衣類の素材によって使い分ける必要がありますが、これは洗濯表示に表記されている「P」や「F」というマークによって見分けることができます。
洗濯表示のマークP:パークロロエチレン・石油系溶剤でドライクリーニング可
洗濯表示のマークF: 石油系溶剤でドライクリーニング可

Pはパークロロエチレンおよび石油系溶剤が使用できることを意味します。古い洗濯表示では「ドライ」と書かれていますが、以下の2つの表示の意味は同じです。
引用元:消費者庁 洗濯表示(平成 28年12月1日以降)
引用元:消費者庁 (参考)平成28年11月までの記号一覧表
Fマークは石油系溶剤が使用できることを意味します。古い洗濯表示では「ドライ・セキユ系」と書かれていますが、以下の2つの表示の意味も同じです。

引用元:消費者庁 洗濯表示(平成 28年12月1日以降)
引用元:消費者庁 (参考)平成28年11月までの記号一覧表
さらに以下のような表示がある場合は、ドライクリーニングができないことを意味します。

引用元:消費者庁 (参考)平成28年11月までの記号一覧表
水洗いとの違い
水洗いとドライクリーニングでは、洗浄方法以外にも以下のような特徴があります。
ドライクリーニング
洗浄方法:有機溶剤
落とせる汚れ:油溶性の汚れ・不溶性の汚れ
洗える素材: 一部を除くあらゆる素材に対応(ウール・シルク・カシミアなど繊細な素材も可能)
水洗い
洗浄方法:水と洗剤
落とせる汚れ:水溶性の汚れ
洗える素材:コットン・麻・ナイロンなど丈夫な素材
クリーニングで使用する有機溶剤は油の一種であるため、同じ油性の汚れを溶かし、汚れを浮かせやすいです。逆に水性の汚れは落としにくく、ドライクリーニングは向きません。またドライクリーニングは繊細な素材でも、あまり傷つけにくいという特徴があります。
ドライクリーニングのメリット

ドライクリーニングには以下のようなメリットがあります。
- 水洗いでは落ちない油脂性の汚れを落とすことができる
- 型崩れや縮む心配のある衣類を洗濯できる
有機溶剤は油性汚れを溶かすため、食用油のシミやファンデーションや口紅といった化粧品汚れ、油性ペンのインクなど、水では落とせない頑固な汚れも落とすことができます。また水洗いによって繊維にダメージを受けるような素材や色落ちしやすい衣類などにも、ほとんどダメージを与えることなく洗浄することが可能です。
スーツやプリーツなどであっても、型崩れすることなく劣化もない状態で綺麗に洗うことができます。
ドライクリーニングのデメリット
ドライクリーニングにはメリットが多い一方で、以下のようなデメリットもあります。
- 汗などの水溶性の汚れは落とせない
- 溶剤を捨てることができないため汚れた溶剤を使用される可能性がある
ドライクリーニングのデメリットとしては、汗や果汁・醤油・アルコールといった水溶性の汚れやシミにはあまり効果がないことが挙げられます。また有機溶剤は水のように簡単に処理ができないため、溶剤を使いまわしている可能性があります。とはいえ一般的には濾過して汚れを取り除いているためあまり心配する必要はありません。クリーニングに出したのに異臭がするといった場合は、ほかのクリーニング店の利用を検討した方がいいでしょう。

ドライクリーニングしたほうがいい・水洗いすべきではない衣類

以下のような衣類や素材は水洗いに適さず、ドライクリーニングがおすすめです。
- ドライクリーニングマークがあるもの
- デリケートな素材のもの
ドライクリーニングマークがあるもの
ドライクリーニングすべき衣類を見分けるには洗濯表示を確認し、ドライクリーニングマークがあるかどうかが目安になります。上述したように以下のような「P」や「F」のマークがあれば、ドライクリーニングができるということになります。

引用元:消費者庁 洗濯表示(平成 28年12月1日以降)
ただし、以下のマークがある場合にはドライクリーニングには向いていないことを意味します。

引用元:消費者庁 洗濯表示(平成 28年12月1日以降)
クリーニング店でも洗濯表示をしっかり確認してからクリーニングを行いますが、クリーニング店に依頼する際には自分でも洗濯表示を確認するようにしましょう。
デリケートな素材のもの
以下のような、水洗いによって型崩れや縮みなどの可能性が高いデリケートな素材は、ドライクリーニングがおすすめです。
<ドライクリーニングしたほうがいい素材の例>
- ウール
- シルク
- 麻
- レーヨン・キュプラ
- 革製品
- ちりめん
- ベルベット
コットンやアクリル製などの丈夫な生地は、一般的に家庭で水洗いすることができます。しかし上記のような繊細な生地は、水洗いによって収縮したりして風合いが変わってしまう可能性があるのです。
<ドライクリーニングしたほうがいい衣類の例>
- スーツ
- コート
- ドレス
- プリーツ加工がされているもの
- 装飾品が付いているもの
- 和服
上記のような芯地を多く使っているコートやジャケットなど、繊細な素材が使われる衣類はドライクリーニングがおすすめです。襟まわりに付着したファンデーションなどが気になる場合にも、ドライクリーニングで綺麗に仕上げることができるでしょう。
ドライクリーニングマークがある衣類を自宅で洗濯することは可能?

市販の洗剤にはデリケートな衣類に使えるものが販売されていますが、これを使ってドライマークがついたものを自宅で綺麗にすることはできないのでしょうか。結論から言えば衣類によっては、自宅で洗えるものもあります。
自宅で洗濯できるかどうかを見分けるのは、やはり洗濯表示に記されている、水洗いのマークとドライクリーニングマークです。
ドライクリーニングマークがついていても、水洗いマークがあれば、自宅で水洗いをすることができます。
一方で、ドライクリーニングマークと水洗い不可マークがあるのであればホームクリーニングは難しいでしょう。
とくにキュプラ、シルク、カシミア、革などの素材は、傷みやすいです。高額なものや失敗すると困るものはドライクリーニングに出すことをおすすめします。
ドライクリーニング料金の目安

クリーニングには、店舗型と宅配型があり、それぞれ料金形態が異なります。それぞれの相場は以下の通りです。
|
店舗型クリーニング |
宅配クリーニング |
スーツ |
1,303円 |
1,077円 |
コート |
1,337円 |
2,033円 |
ダウンジャケット |
1,670円 |
2,485円 |
セーター |
500円 |
783円 |
店舗型は、自分でお店に衣類を持ち込むタイプのクリーニングサービスで、地域や店舗によって価格に差があることがあります。一方で宅配クリーニングは基本的に全国一律の値段であり、サービスによってはパック料金となっており、衣類の種類に関係なく点数に応じた料金となっていることもあります。
宅配型クリーニングは、自宅まで配送業者が衣類を集荷・宅配してくれるため利便性が高いですが、送料が別途かかる、もしくはクリーニング代金に含まれるため店舗型よりも高くなる傾向があります。
自身のライフスタイルや何を重視したいのか、衣類の種類などによってどちらが向いているのか、判断するようにしましょう。

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まとめ
ドライクリーニングは、水洗いでは落とせないような頑固な汚れも落とせるほか、ウールやカシミアといった繊細な衣類を傷つけることなく綺麗にすることができます。とはいえ、ドライクリーニングにも向き不向きがあるため、必ず洗濯表示タグのマークを確認するようにしましょう。水洗いマークがついているものは自宅でのクリーニングも可能ですが、失敗して困るものや高額なものはプロのクリーニング店に依頼することをおすすめします。