リコーベ運営会社　新神戸ランドリーの物語

私はリコーベを運営している新神戸ランドリーの店主でクリーニング職人の田中功です。
当店は兵庫県加東市にあるクリーニング店です。

当店の１代目である私の父は、とても腕の良いクリーニング職人だったそうです。時は明治後期。父は、当時最先端の西洋洗濯（現在のドライクリーニング）を取り入れているお店で厳しい修行を積みました。神戸界隈に住んでいた外国人商社マンとその家族たちのクリーニングもたくさん取り扱ったそうです。戦後、父は兵庫県加東市で開業しました。すぐに腕のいい職人がいる店と評判になったと聞いています。それが創業68年のクリーニング店「神戸ランドリー」です。

時は過ぎて、このあたりの人口も減少し、商店も１つ抜け２つ抜け。今ではシャッターが閉じられたお店が多くなってしまいました。近年、郊外に大型ショッピングセンターや商業施設がまわりの町の商店を飲み込み、私の町もひっそりと寂しい有様になりました。

今から数十年前に、2代目として家業を引き継ぎました。当時のクリーニング業界は、どこもそこも納期遅れの状態でした。
もっとお客様のために、もっと従業員のため、そして地域のためにクリーニングのやり方を見直せないか――。

当店は20年、30年頑張っているパートのおばちゃんたち、40年アイロン一筋で技能を高めた職人たちを擁しています。この強みを活かしながら計画的な工場オペレーションと融合していくことを実践することにしました。

計画的な工場オペレーションとはムリ・ムダをなくすジャストインタイム方式の計画生産です。一定量を一定の日時に、高品質仕上げをお客様の必要な時にタイムリーに納品するオペレーションの方法論です。日本を代表する自動車会社が実践していることでも有名です。

最初は現場の戸惑いや反発があったことも確かです。しかし、やがてパートのおばちゃんたち、職人たちもジャストインタイム方式の意義を理解してもらって、今では現場からどんどん改善案が出てくるようになりました。納期遅れも完全に解消されました。

職人やパートさんの素晴らしい“ほんまもんの”クリーニング技術を少しでも多くの皆様にお届けできたら、地域の活性化につながるのでは――。そんな思いから新神戸ランドリーネットショップ「リコーベ」を開設しました。

地元のお客様の取扱分もあるので、 私たちの工場では１日スタッフ１人で１０名様程度の衣類を取り扱うのが品質を守るための最適量と考えております。クリーニング業界の繁忙期にはクリーニングコースが売り切れとなる場合もあるかもしれません。ご不便をおかけしますが、最高の品質を守るために、ご理解とご協力をお願い申し上げます。

「リコーベ」でお客様のライフスタイルがより快適になれば幸いです。

新神戸ランドリー店主　田中功