Tシャツの黒ずみの落とし方とは？原因や黄ばみとの違いも説明

Tシャツの黒ずみは汚れが洗濯で落としきれず、着用と洗濯を繰り返して蓄積されることで発生します。代表的な黒ずみの原因は、汗の中に含まれる皮脂です。皮脂汚れに埃が付着すると、時間をかけて黒ずみに変化します。

黒ずみは落とすのが難しいと考える方も多いですが、正しい方法を知っていれば自分でも除去可能です。本記事では黒ずみの原因や黄ばみとの違い、落とし方について解説します。

 

 

Tシャツの黒ずみとは

黒ずみを除去するうえで大切なのは、原因をしっかりと把握しておくことです。

ここではよく混同される「黄ばみとの違い」も紹介します。

Tシャツの黒ずみの原因

黒ずみの主な原因は、繊維の奥に入り込んだ油汚れです。多くの場合、洗濯で落としきれなかった皮脂が黒ずみを発生させます。そのため、黒ずみが発生しやすい箇所は、汗が多く付着する脇や皮膚に密着している首周りです。

また、「再汚染」が原因になっていることもあります。これは、洗濯中に落とした汚れが他の衣類に付着することで、黒ずみが発生するというものです。汚れが付いた服やタオルを洗濯する際には、他の衣類に対する影響も考えなくてはいけません。

Tシャツの黒ずみと黄ばみの違い

Tシャツの黒ずみと黄ばみは見た目が異なる汚れですが、どちらも根本的な原因は洗濯で落としきれなかった皮脂だと考えて良いでしょう。

本来、蓄積した皮脂汚れは、時間をかけて黄色のシミである黄ばみになります。黒ずみは、このような皮脂汚れに埃が付着した状態を指します。

着用後の衣類を丁寧にお手入れすれば、黒ずみと黄ばみの両方を予防できるでしょう。

Tシャツの黒ずみを避ける対処法

Tシャツの黒ずみを発生させないためには、次の対処法が効果的です。

• 洗濯機の容量に余裕を持って洗濯をする
• 皮脂汚れに強い洗剤を使う
• お湯で洗濯する

普段のお手入れで黒ずみ・黄ばみを予防してください。

洗濯機の容量に余裕を持って洗濯をする

洗濯物を詰め込みすぎると、衣類の再汚染を招く可能性があります。洗剤がすべての衣類に行き届かないうえに、洗濯物が一箇所に固まって汚れが落とせなくなることもあるためです。洗濯物は詰め込まず小分けにし、洗濯機の容量に対して余裕を持たせてください。

洗濯物の量が適正であれば、洗濯時に水と洗剤が均一に行き渡って循環し、洗濯機と洗剤が持つ本来の能力を発揮できます。さらに、汚れがひどいものとそうでないものに分別すれば、再汚染のリスクを最小限に減らせるでしょう。

皮脂汚れに強い洗剤を使う

皮脂汚れは酸性であるため、中性の液体洗剤ではなく弱アルカリ性粉末洗剤のほうが高い効果を期待できます。また、皮脂汚れに強い洗剤は、食べこぼしなどの油汚れ・口紅の汚れを落とすことも得意です。皮脂をしっかり落とせる洗剤を普段から使用すれば、通常の洗濯のみで黒ずみが予防できるでしょう。

黄ばみや黒ずみができやすいと感じている方は、弱アルカリ性の粉末洗剤がおすすめです。

お湯で洗濯する

洗濯に使用する水自体を40度程度のお湯に変えることで、スムーズに皮脂を取り除けるでしょう。お湯には油の粘度を低くする働きがあり、油汚れを細かく砕く・流れやすくできるのです。実際に、油の付いた食器はお湯洗いすることで早く油を落とせます。

また、水よりお湯のほうが粉末洗剤も溶けやすくなります。ただし、お風呂の残り湯には皮脂などの汚れが含まれているため、黒ずみの原因になる可能性があります。洗濯には清潔なお湯を使用してください。

Tシャツの黒ずみの落とし方1. 酸素系漂白剤

ここからは、具体的な黒ずみの落とし方について説明します。まずは酸素系漂白剤を使用した方法をステップごとにまとめました。酸素系漂白剤は色柄物にも使用可能な弱アルカリ性の漂白剤で、ツンとした匂いがありません。

酸素系漂白剤には、粉末の商品とワイドハイターのような液体の商品が存在します。

【用意するもの】

• ワイドハイター等の漂白剤
• 50度程度のお湯
• バケツまたは洗面器

ワイドハイターを溶かしたお湯に漬け置きする

50度程度のお湯をバケツまたは洗面器に入れて、規定量のワイドハイターを加えます。この際、衣類にダメージを与えないためにも、製品に表示されている規定量を必ず守ってください。

黒ずみのあるTシャツを、漂白剤を入れたお湯に漬け置きします。10分程度置いておき、汚れが落ちていない場合はさらに30〜1時間程度、そのままにしましょう。時間を置いても汚れが消えない・薄くならないときには、本記事で紹介する他の方法がおすすめです。

普段通り洗濯する

漬け置きしたTシャツを軽く濯いで通常通り洗濯します。

酸素系漂白剤は色柄物を色落ちさせてしまう心配がないため、他の洗濯物と一緒に洗濯可能です。ただし、塩素系漂白剤や還元系漂白剤などの漂白剤を使う際は注意してください。これらの漂白剤は漂白力が強いため、衣類の染料まで除去してしまう恐れがあるでしょう。

Tシャツの黒ずみの落とし方2. 重曹

自宅に漂白剤がない方や肌が敏感な方は、自然由来の成分で作られた重曹を活用して黒ずみを除去するという手段もあります。重曹は弱アルカリ性で、皮脂汚れを含む油を中和させる作用が期待できるでしょう。人体に無害であり、ベーキングパウダーとして食べ物にも使用可能です。

【用意するもの】

• 重曹
• 食器用洗剤
• 使用しない歯ブラシ
• 重曹ペーストを混ぜる容器

重曹と食器用洗剤を1：1の割合で混ぜ合わせる

重曹に食器用洗剤を少しずつ加えていき、重曹ペーストを作ります。

比率の目安は1：1ですが、自分が扱いやすい固さを意識して調整してください。

黒ずみ部分を覆うようにたっぷりと塗り込む

Tシャツの黒ずみ部分に、作っておいた重曹ペーストを塗り込みます。使用しない歯ブラシを活用して直接擦り込むと、よりスムーズに黒ずみを落とせるでしょう。

ただし、力を入れる・頻繁に擦るといった行為は衣類のダメージにつながるため、注意してください。

5〜10分ほど放置したあと普段通り洗濯する

重曹ペーストを擦り込んだ状態でTシャツを5〜10分放置し、通常通り洗濯します。この際、洗濯の水にお湯を使うと、より汚れが落ちやすくなるでしょう。

重曹は染料を落としてしまう心配がないため、色柄物と一緒に洗えます。

Tシャツの黒ずみの落とし方3.固形石鹸

固形石鹸は弱アルカリ性であり、重曹と同じように皮脂を含む油汚れに効果的です。

注意すべきなのは、蛍光増白剤が入った固形石鹸です。蛍光増白剤は白い衣類を新品のような状態に戻しますが、染料を落とす可能性があることから色柄物には使用しないでください。

【用意するもの】

• 固形石鹸
• 40度程度のお湯

黒ずみ部分に塗り込む

Tシャツの黒ずみ部分を軽くお湯で濡らして、固形石鹸をしっかり塗ります。

力を入れすぎないように注意して揉み込み、汚れを落としてください。

普段通り洗濯する

固形石鹸で黒ずみ部分をよく揉み込んだあとは、洗濯機にTシャツを入れて普段通りに洗います。

衣類の黒ずみはもちろん洗濯の予洗いにも使用可能なため、常備しておくとよいでしょう。

 

 

Tシャツの黒ずみの落とし方4. 台所用洗剤+洗剤+漂白剤

頑固な黒ずみには、台所用洗剤・洗剤・漂白剤のセットが効果的です。

【用意するもの】

• 台所用洗剤
• バケツまたは洗面器
• 粉末洗剤
• 酸素系漂白剤
• 50度程度のお湯

衣類の黒ずみ部分に台所用洗剤を付ける

Tシャツの黒ずみ部分を水で濡らし、台所用洗剤を付けて優しく揉み洗いしてください。

力を入れすぎると衣類のダメージにつながるため注意しましょう。

洗面器にお湯と粉末洗剤を入れる

洗面器またはバケツに50度程度の温度のお湯を用意し、粉末洗剤の容器に記載された規定量を溶かします。

洗剤はしっかり溶かし切ってください。

酸素系漂白剤を入れ混ぜ合わせる

粉末洗剤を溶かした液体に、規定量の酸素系漂白剤を混ぜ合わせます。酸素系漂白剤の量は粉末洗剤同様に、商品に表示されている分量を参考にしてください。

多すぎる洗剤や漂白剤は衣類にダメージを与える可能性があります。

衣類を浸け置く

粉末洗剤・酸素系漂白剤が入ったお湯に、台所洗剤で揉み洗いしたTシャツを浸します。

お子様がいるご家庭は、近づかないようしっかりと観察しましょう。

30分～1時間ほど放置する

Tシャツをそのままの状態で30分〜1時間程度放置してください。汚れの様子を見ながら時間を調整しましょう。

5〜10分程度で黒ずみが落ちていれば、漬け置きを切り上げます。余計な漬け置きは衣類の劣化を早める可能性があるでしょう。

普段通り洗濯する

漬け置きしたTシャツを軽く濯いでから洗濯機に入れ、普段通りの洗濯をします。

黒ずみが落ちていなければ、後述するクリーニングがおすすめです。

Tシャツの黒ずみを落とすにはクリーニングもおすすめ

先ほど紹介した方法でもTシャツの黒ずみが落ちない時には、クリーニングを活用するという手段もあります。クリーニングのメリットは次の通りです。

• 専用の洗剤とスチームで漂白してくれる
• 原因に応じた方法で黒ずみを落としてくれる
• Tシャツのよれや型崩れを防げる

クリーニングであればプロのテクニックと特別な機器・薬剤の力で黒ずみを美しく除去できるでしょう。

専用の洗剤とスチームで漂白してくれる

クリーニング店では、黒ずみを含む「汚れのシミ抜き」等のサービスが用意されており、集中的に汚れを取り除くことができます。シミ抜きのサービスではシミの種類に合わせて専用の洗剤を用意し、衣類に負担をかけずにピンポイントで汚れを除去できるでしょう。

また、クリーニング店はプロ専用の高温スチームも活用します。高温スチームはしつこい油汚れなどを効果的に浮かせ、黒ずみを衣類から取り除く役割を果たします。蒸気の力で汚れを吹き飛ばすことで、よりきれいな状態に仕上げてもらえるでしょう。

原因に応じた方法で黒ずみを落としてくれる

「黒ずみ」とひとくくりにしても、皮脂が発生した原因は多岐にわたります。例えば、食べ物の汚れなのか化粧品の汚れなのかでも原因は異なるでしょう。一般家庭では、このような「皮脂の原因」まで特定することは不可能であるため、根本的な黒ずみの除去は容易ではありません。

一方、クリーニング店では、汚れの種類に合わせて適切な方法で洗浄作業が行われます。経験豊富なスタッフが原因に適した洗剤を選び、プロの技術で洗浄してくれるため、しつこい黒ずみでも綺麗にしてくれる可能性が高いです。

Tシャツのよれや型崩れを防げる

Tシャツは扱いやすい衣類のように思われがちですが、着心地の良さや風合いを損なうと本来の魅力が減ってしまいます。そのため、強すぎる擦り洗いや揉み洗いで摩擦を加えすぎたり、規定量以上の漂白剤に長時間漬け置きしたりする行為は避けるべきです。

クリーニング店なら衣類の素材に合わせた方法が選択されるため、クリーニングのせいで衣類が傷んでしまうリスクを最小限に抑えます。大切なTシャツにダメージを与えずに、黒ずみをきれいに落としてもらえるでしょう。

また、Tシャツはよれや型崩れが起こりやすい衣類です。クリーニング店であれば一品ずつ丁寧にシミ抜き作業が行われるうえに、アイロンがけで仕上げられるため、新品のような状態でTシャツを受け取れるでしょう。

 

 

まとめ

Tシャツの黒ずみは、皮脂汚れが原因で発生します。皮脂に埃などが付着して、黒く見えるとされています。黒ずみを取り除くためには、汚れた衣類はすぐに洗う、洗濯物を洗濯機に詰め込みすぎない、油汚れに強い洗剤を使用するなどが効果的です。

また、できてしまった黒ずみは酸素系漂白剤や重曹、台所用洗剤などを活用して洗濯することで、取り除ける可能性があるでしょう。Tシャツのダメージを最小限に抑えたい場合はクリーニング店の利用がおすすめです。本記事で紹介した方法を実践して、Tシャツの黒ずみを効果的に取り除きましょう。